シニア犬にはカルシウム系サプリメントを与えるべき?
2023/07/26
最近、歩き方がゆっくりになった、散歩に行きたがらないなどシニア期を迎えた愛犬の様子が気になることはありませんか?
犬も人間同様に加齢による軟骨のすり減りや関節の痛み、不調を抱えます。今回はシニア犬のサプリメントについて詳しくお話させていただきます。
シニア犬にカルシウムやグルコサミンのサプリメントは必須?
ペットショップに足を運んでみるとカルシウムやコンドロイチンを配合したオヤツやドッグフード、粉末状のサプリメントがたくさん並んでいます。
シニア期を迎え足腰に不調を抱える愛犬がいる我が家もサプリメントを与えるべき?と気になりますよね。
市販のドッグフードは「標準的な値」を元に原材料や栄養素、給与量が算出されているので、必ずしも全ての犬に最適な栄養バランスではありません。
中には市販のドッグフードの栄養量だけではカルシウムやコンドロイチンが不足する犬もいます。
特に手作り食を与えている場合、カルシウムやコンドロイチンの摂取量は不足しがちです。
年齢や体調に合わせてこの様な効果効能を期待出来るサプリメントを取り入れるのは、シニア期を快適に過ごす方法の1つと言えます。
ただ、カルシウムは過剰に摂取するとかえって内臓機能にダメージを与える悪影響もあります。
必ずしも全ての愛犬にカルシウムのサプリメントが必須ではないので注意しましょう。
与える?与える必要は無い?見極め方はドッグフードの栄養バランス
カルシウムやコンドロイチン、何らかのサプリメントを与えるべきかどうかの判断基準は、ドッグフードのパッケージ表示で確認をしましょう。
ドッグフードのパッケージを確認し
- 原材料表示欄の先頭に書かれている品目が「肉」「魚」などの動物性タンパク質である
- パッケージに「総合栄養食」と記載されている
この2つに当てはまる場合は、カルシウムやコンドロイチンの追加は必要ありません。
総合栄養食と書かれたドッグフードは、このドッグフードと水だけで犬が必要とする栄養量をバランスよく摂取できるよう綿密な栄養量の計算がされています。
このようなドッグフードにカルシウムやコンドロイチンを追加すると過剰摂取が起こり、尿道の疾患や栄養バランスの乱れによる不調が起こる場合があります。
ただし、全てのドッグフードがこの2つの基準を満たすわけではないので、総合栄養食という記載がない場合や手作り食を与えている場合は獣医師に相談の上、サプリメントを与えるべきかどうかを判断しましょう。
カルシウムやコンドロイチン単体での摂取では期待通りの効果は出ません
愛犬にサプリメントを与える時、大抵の場合粉末状のカルシウムやコンドロイチンをドッグフードにふりかけ食べさせるでしょう。
しかし、この方法では期待通りに足腰の不調を改善したり、すり減った軟骨を再形成するほどの効果は期待できません。
なぜなら、カルシウムやコンドロイチンは本来何らかの食物の栄養素の一種として含有されている成分だからです。
肉や魚、野菜を食べる時、その栄養素の一種であるカルシウムが体内に吸収され、時間をかけてゆっくりと体組織を形成してゆきます。
粉末状に加工されたカルシウムをドッグフードに振りかけてもそのすべてが体内に吸収されるわけではなく、食材として摂取する場合よりもさらに吸収率は下がります。
また足腰関節の不調や骨格の変化といった効果を実感するには、数年の期間を要し、速効性がないので、今、不調を訴えている愛犬の症状緩和には十分な対策とはいえません。
カルシウムは食材として摂取すると効果的
シニア期を迎えた愛犬の健康維持にカルシウムを与えたい場合は、カルシウムの含有量の多い食材をドッグフードにトッピングしたり、オヤツとして与える方法をよりオススメします。
カルシウムの含有量が多い食材の一例は
・にぼし
・ごま
・チーズ
・ヨーグルト
・ほうれん草
・小松菜
・イチゴ
・バナナ
などです。
ヨーグルトは胃腸の調子を崩しがちなシニア犬にオススメの食材です。ドッグフードにそのままでトッピングするもよし、キッチンペーパーで軽く水切りを済ませてから与えるとチーズ状になり食べやすい上に、口周りを汚さずに味わえます。
まとめ
足腰の不調や動きにくさをみせるシニア犬の健康維持に様々な方法を尽くしたい気持ちは当然ですが、食事や栄養、サプリメントに関する曖昧な情報に左右されず、愛犬の食べているドッグフードをしっかり確認し、サプリメントを与えるべきかそうでないかを見極めてゆきましょう。
大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。生体販売・ペットショップ店長・トリマー・トレーナー・新規事業開発・成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダー・ペット関連用品の開発など、国内最大手のペット関連企業において経験。独立開業後は、WEBサイト、雑誌などへコラム執筆や企業顧問、商品開発、各種マーケティング業、専門学校講師を勤めています。
ゴールデンレトリバー(サーフ&海)、チワワ、猫と全員元保護犬、猫達とペットライフがもっと楽しく、もっと快適になるよう目指しています。
保有資格:
●愛玩動物飼養管理士
●トリマー
●トレーナー
●アロマセラピスト
●ホリスティックケアカウンセラー
●ペット食育士
●ペット災害危機管理士
●マウスケアメンター
●一般社団法人日本ペット用品工業会認定 ペット用品販売士
●ペットロスケアアドバイザー
●セラピードッグトレーナー
●動物葬祭ディレクター
●ペット共生住宅管理士