愛犬の手作りご飯、栄養バランスやカロリー計算はどうすればいい?
2023/07/30
愛犬に必要な栄養バランスを考えた食材とは?
「手作りご飯にしたいけれど、必要な栄養素が補えることができるのか?カロリー計算はどうすればいいのか?心配です・・・」このようなお声を度々耳にします。愛犬に必要な三大栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物です。さらに、ビタミン、ミネラルなどを含めて五大栄養素、そして水分をバランスよく与えていくことが大切です。
以下は私が日々、与えている栄養素別の食材の一例です。
<タンパク質>
■肉(食材には体を温めるものや、冷やすもの、どちらでもないものがあるので、体調や季節に応じて何のお肉を使うか考えています。我が家は熱ごもりがでやすいタイプなので、温めも冷やしもしない豚肉をよく使っています。)
■魚(週に1回程度、季節の旬の魚を摂り入れることが多いです。骨や頭は取り除き、煮込んだり、焼いたり、食べやすくするためにハンバーグや団子状にして与えることもあります。)
■豆類(小豆や黒豆、大豆などを細かくして与えています。黒豆や小豆は下準備が大変ですが、積極的に取り入れています。)
<脂質>
■オリーブオイルや、亜麻仁油、ごま油、無塩バターなどを使用しています。亜麻仁油やオリーブオイルは熱を加えずに、最後にふりかけています。
<炭水化物>
■白米、玄米、黒米などを与えています。ご飯類は人間と同じように炊いたものを一緒に煮込む形にしているので、人間用のご飯を少し多めに炊いておくと便利です。
<ビタミン>
■脂溶性ビタミン(緑黄色野菜や魚、肉や卵など)
■水溶性ビタミン(豆類やお肉類、玄米、乳製品など)
脂溶性ビタミンは摂りすぎに注意が必要です。なるべく彩りが鮮やかになるようにすると、自然と栄養素や効能のバランスが取れていることが多いと実感しています。
<ミネラル>
■昆布、ひじき、海苔なども毎回ご飯に入れています。旨味成分も増すようで、愛犬の食いつきも良くなっています。
これらの5大栄養素の入った食材をバランスよく与え、水分もしっかりと与えていくことが大切です。
愛犬必要なカロリーを計算してみよう!
それでは1日にどのぐらいのカロリーのご飯を与えればいいのでしょうか?
1日の摂取カロリーは、愛犬の体重はもちろん、成長期であるか?妊娠中であるか?シニア期であるか?避妊去勢の有無、肥満傾向があるか?などで変化していきます。
実際に具体的な説明の方がわかりやすいと思うので、我が家の愛犬(ラブラドールレトリバー、24kg、10歳、避妊手術済、運動量はとても多い)の場合でご説明します。
まずは、安静時のエネルギー要求量(安静時とは、食事の行動以外は、特に動き回らない状態のこと)を計算してみます。
計算方法としては
体重(kg)0.75×70(定数)
24kg0.75×70=759.025・・・ ≒ 759kcalとなります。
さらにここに、成長期であるか?妊娠中であるか?シニア期であるか?避妊去勢の有無、肥満傾向があるか?などで掛ける定数が変化していきます。
我が家の場合は、10歳でシニアなので、本来であれば上記の759にシニアの定数である1.4を掛けるべきなのですが、毎朝、海で泳いだりボール遊びをしており、運動量がかなり多いので、避妊去勢済の成犬の定数である1.6を掛けています。
759kcal×1.6=1,214kcalが1日に必要な摂取カロリーとなります。
数式があるからと言って、全てそこに当てはめるのではなく、愛犬の運動量なども考慮していくことが大切です。
与えてはいけないものを確認しましょう
「愛犬には、人間と同じ食べ物を与えないようにしましょう」そんなことを耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はこの意味は、「人間の食事のように濃い味付けにしたものは与えないようがいいですよ」という形で理解していただければと思います。
つまり、与えてはいけない食材を除けば、人間と同じ食材を使った手作りご飯を与えることができるのです。
では、与えてはいけないものをご紹介します。
<与えてはいけないもの>
■ねぎ、玉ねぎ、ニラ類
■ぶどう、レーズン
■アボカド(葉、種、樹皮NG)
■びわ(葉、種NG)
■チョコレート(カカオ)
■キシリトール
■カフェイン
■ジャガイモの芽
以前、BBQをしていた際に、玉ねぎの入った肉野菜炒めを、手元が滑って落としてしまい、我が家の愛犬がそれを食べてしまった時があります。しかし、直後に吐き出していました。やはり体に良くないと反応したのかもしれません。
また、手作り食の場合は、ほうれん草などを茹でたときに出る灰汁も要注意です。
正しい知識を持って手作りご飯に挑戦しましょう
愛犬の健康は飼い主である皆さんによって大きく左右されます。何となく耳かじりした情報で手作りご飯を作ってみたり、SNSなどで映える手作りご飯だからという理由で真似るのではなく、大切な愛犬の体質や体調をしっかり把握した上で、手作りご飯に挑戦してもらいたいと思います。
専門家の勉強会やセミナーに参加したり、専門家の著書を読んで学んだりして、基本的な知識を得てから、ぜひ、愛犬の健康のために美味しい手作りご飯を作ってあげてください。
人と犬の健康アカデミー協会、代表理事。
愛犬の皮膚病に悩み、様々な対処法を試していたが、一向に改善が見られなかった。そんな時に「犬の薬膳ご飯」に出会う。愛犬のために中医学に基づいた「犬の薬膳ご飯」を学び、取り入れたところ数ヶ月で、愛犬の皮膚病が治る。
その後、もっと知識を深めていくために東洋医学やペット薬膳を学ぶ。
■犬の東洋医学生活管理士
■認定ペット薬膳管理士
■ATHAドッグアロマヘルスコーチ
■アニマルアロマアドバイザー
■和漢薬膳士
■漢方経絡リンパセラピスト
■愛玩動物飼養管理士
■ペットセイバー