愛犬の眠りの質を上げるためにできること
2024/01/24
犬の睡眠のメカニズム
犬の睡眠時間は、成犬で平均12〜14時間と、私たち人間と比べると長めです。
しかし、一度にまとまった睡眠時間を要する私たちとは異なり、犬は睡眠と覚醒を短時間で繰り返しています。
これは、犬が外敵から身を守るための自衛位本能から来るものだと考えられています。
そのため、一度にまとまった睡眠をとるのではなく、浅く短い睡眠を数回に分けてとっています。
◯犬が寝不足になるとどうなる?
何らかの原因で睡眠不足に陥ると、食欲不振や下痢、元気がなくなるなどの症状がでやすくなるほか、昼夜逆転する、無駄吠えが増える、性格が攻撃的になる、無気力になる、うつ病にかかるなど精神面にも影響が見られることがあります。
犬が安眠できる環境を作ろう
犬が健康を維持するために、睡眠はとても重要です。
睡眠は時間の確保だけでなく、安眠できる環境であることも重要です。
ここでは、犬が安眠するのに適した環境を紹介します。
◯なるべく暗い場所に寝床を作る
犬は穴倉など暗い場所を寝床にする生き物ですので、夜間は暗くしてあげることが大切です。
飼い主さんの中には、部屋が暗いと愛犬が怖がるのではないかと感じる方もいるかと思いますが、犬が安眠するためには暗くしてあげる方がよいでしょう。
◯人間の動線を避けた静かな環境が好ましい
寝床が人間の動線やドアの側などにあると、愛犬は気になって安眠することができません。
そのため、寝床は人間の動線を避けた静かな場所に設置しましょう。
ただし、群れで行動する犬にとって、完全に孤立してしまう環境は不安を感じやすいため、飼い主さんの気配が感じられる場所がおすすめです。
◯クレートなどの狭い場所がおすすめ
犬は狭くて暗い穴倉などを好む習性があるため、寝床にはクレートが適しています。
クレート内は暗くて狭い環境が作れるほか、ある程度ほかの環境と遮断をすることができます。
また、縄張りを持つ犬にとってクレートは、自分の安心できる場所として活用できるため、より安眠できる環境を作ることができます。
◯季節ごとにペットベッドや暑さ寒さ対策をして快適な寝床を作る
愛犬が安眠するためには、暑さや寒さ対策は欠かせません。
犬種によって適温は異なりますが、部屋の温度は21〜25度に保つようにしましょう。
また、季節ごとにペット別途や毛布、ヒーターなどを活用して、愛犬が安眠できる環境を整えてあげましょう。
愛犬を安眠させるポイント
愛犬を安眠させるためには、どのようなことに気を配る必要があるのでしょう。
ここでは、愛犬を安眠させるポイントを紹介します。
◯夜になっても寝ない場合はどうしたらいい?
夜になってもなかなか寝てくれない場合は、日中の活動量が不足している可能性があります。
散歩の距離や時間を伸ばしてみたり、ドッグランで運動させる、一緒に体を動かす遊びをするなどして、愛犬の運動量を見直してみましょう。
また、夜に空腹だったりストレスを感じていたりする、飼い主さんがいつまでも活動しているなど、愛犬が安眠できる状態でないことも考えられます。
夜、愛犬が安眠できる環境が整っているか、飼い主さんのライフスタイルを含め確認してみましょう。
◯犬と一緒に寝るのはいいの?
愛犬家のなかには、愛犬と一緒に寝ている方もいるでしょう。
愛犬と一緒に寝ること自体に問題はありませんが、一緒に眠ることを習慣づけてしまうと、飼い主さんが寝るまで眠れない、踏んでしまうなどのケガ、分離不安になりやすい、人畜共通病にかかりやすいなどのリスクが高まります。
そのため、できるだけ犬は犬用の寝床で眠る環境を作ることが望ましいでしょう。
◯エアコンの乾燥に注意する
愛犬が安眠するためには、空気の乾燥にも注意が必要です。
エアコンでの温度管理は、室内が乾燥してしまいがちです。
そのため、加湿器の併用のほかにも、犬用の腹巻や湯たんぽ、あずきの力など乾燥しにくい方法での寒さ対策もおすすめです。
特に子犬やシニア犬は、乾燥による皮膚トラブルや体調不良が起こりやすいため、湿度管理も忘れずにおこないましょう。
まとめ
- 犬は睡眠と覚醒を短時間ずつ繰り返している
- 犬が睡眠不足になると体調や精神面に影響がでやすい
- 寝床は暗くて狭い場所(クレート)がおすすめ
- 人間の動線を避けた静かな環境を作る
- 夜になっても寝ない場合は日中の活動量や生活スタイルを見直す
- 犬と一緒に寝ることはあまりおすすめできない
- 部屋の乾燥にも気を付ける
犬が心身ともに健康を維持するために、睡眠は欠かせません。
飼い主さんは、眠りの浅い犬の習性を理解し、安眠できる環境を作ってあげることが大切です。
愛犬が良い睡眠をとれるよう、夜間は明かりや音などに気を配り、人間の生活サイクルに合わせてしまわないよう注意が必要です。
24時間急患対応の動物病院で、動物看護士として勤務。
その後、動物園やペットショップなど動物関連の勤務経験を得て、2016年よりwebライターとして活動。
飼い主さんが正しい知識でペットを飼育するための情報発信をしている。
保有資格
ドッグライフカウンセラー、愛玩動物救命士、愛玩動物搬送士、愛玩動物介護士
飼育経験
犬(ゴールデンレトリバー、ミックス)、猫(ミックス)、ハムスター(ゴールデン、ジャンガリアン)、インコ(セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ)、鶏(ブロイラー)