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愛犬の老化は寂しさを伴うが、新たな喜びを運んでくれる

愛犬の老化は寂しさを伴うが、新たな喜びを運んでくれる
作家 切塗よしを

2023/10/18

愛犬が老化とともに、距離感に大きな変化が生じました。保護犬として我が家に来た当初は抱っこも拒否していましたが、老化とともにおとなしく身を委ねるようになったのです。老化は寂しくもありますが、一方で喜びを運んでくれます。

ハーネスが装着できない

保護犬ということもあり、当初は身体に触られることを嫌がり、抱っこをさせてもらえませんでした。とはいえ、毎月、自宅まで迎えに来てくれたペット美容師の方には、素直に抱っこされていましたので、あるいは飼主の力量に問題があったのかもしれません。

そんな光景を目の当たりにすると、抱っこをさせてもらえないことに、一抹の寂しさはあるものの、それでも、さほど不自由は感じていませんでした。しかし、老化が始まると、いろいろなことで支障が出始めます。

その一例がハーネスです。それまで前足を片方ずつ順番にあげることで装着していたのですが、しだいに前足をあげようとするのに、吠えて中断するようになりました。今考えると、前足の筋力が衰え、片足をあげる姿勢が困難になったのだと思います。そのうち、ハーネスを見せただけで吠え立てて、全力で拒否の姿勢を見せるようになりました。

以前お世話になったドッグトレーナーの方に相談したところ、大型犬のしつけに使う輪の大きさが自在になるリード紐を勧められました。カウボーイの投げ縄のように広い輪の状態で首に嵌めて、紐を引くことで締める仕様です。もちろん、一定以上締まらないようにストッパーが就いています。ストレスなく装着できるので、しばらくの間、重宝していました。

欠点は、ときおり首を締めたような状態になること。また、そもそも首輪の習慣がなかったので、首に何かを巻くこと自体を嫌がっているようにも見えました。

ところが、悩んでいるときには、不思議とどこからともなく助けが訪れるようで、何の番組だったのかは忘れましたが、ふと観たテレビで、首の上から装着して腹で固定するタイプのハーネスを装着している光景を発見しました。これなら足を上げる必要になく、スムーズに装着できます。日本ではあまり流通していないのか、私が購入したのはハンガリー製でした。これは予想外に使い勝手がよく、今でも愛用しています。

階段の上から飛び降りる

これも足の老化と関係するかもしれません。あるいは痴呆症が原因しているかも知れませんが、今から3年前のある日を境に、玄関から庭に降りる3段の階段を一気に飛び降りるようになりました。3段といっても、なかなかの高さと距離がありますから、下手をすれば骨折するリスクがあります。

ここでも抱っこをさせてもらえないことが大きな問題として立ちはだかります。玄関の階段を降りなければ、散歩にも出かけられません。さいわい、当時、車の乗降用にペット用スロープを所持していましたので、これを階段に設置して乗降するようにしました。紐を極力短く持ち、ゆっくりと移動することでスムーズな乗降を実現することができました。

しかし、このスロープも1年も過ぎた頃、しだいに登りに苦労するようになります。いよいよ万策尽きたと絶望したものの、試しに抱っこをしてみると、何の不満もしめさず、そのまま抱かれたままでいる状態でした。老犬となったななみがどこかで折り合いを付けてくれたのかもしれません。これで一気に対応が楽になったのはいうまでもありません。

これがきっかけで、室内でも、ことあるごとに抱っこをするようになりました。保護犬として我が家に来た当初と比べて大幅に距離が縮まったような気がしました。認知症の影響か、時折夜中に、荒い息で室内を徘徊することがありますが、私の足をまたがせて抱っこをしていると、次第に落ち着きを取り戻し、やがて眠りに就きます。

また、以前はペット美容室のお世話になっていましたが、足腰が弱ってきたため、今では自宅で定期的にシャンプーをするようにしています。こちらも、おとなしく身を委ねてシャワーを浴びていますので、若い頃に比べてずいぶんと扱いやすくなりました。ドライヤーも身体に密着させて掛けられますので、随分と効率的です。

老化か運んできたもの

愛犬の老化とともに、それまで想定していなかったことが発生します。それらのことは、順番に紹介させていただくことになりますが、ひとつ言えることは、困難は困難のままで継続するわけではないということです。困難を乗り越えるために、いろいろと対策を講じることで、却って老犬と暮らす楽しみが増してくることをこれまで何度も経験してきました。

もちろん、講じた方法がすべて最善とはかぎりません、むしろ悪手だったということもあるかもしれません。でも、そうした工夫を講じることで、老犬との暮らしが充実したものになったのはたしかです。

目に見えて身体は衰えていきますが、愛犬との距離を縮めてくれたのは、紛れもなく「老化」だと、断言できます。




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作家 切塗よしを (きりぬりよしを)

作家、フリーライター、文芸同人誌『あるかいど』発行人
短編小説集『けったいな犬やっかいな猫』(ことの葉ブックス)で、保護犬と暮らす青年の生き様を描く。
現在、シニア犬の柴犬、ななみと暮らす。

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