日常的におむつをつけた生活になる
2023/12/08
以前は、1日2~3回の散歩で排便、排尿をして、室内で粗相をすることは無かったのですが、15歳の頃から、室内で排尿をするようになりました。さらに同時期に腸が弱り、下痢をするようになったため、紙おむつをつけた生活が始まりました。
おむつ使用までの試行錯誤
おむつの生活に慣れると、敷物が汚れにくいなどの利点があります。もう2年も使い続けていると、昔は本当におむつなしで過ごしていたのだろうかと、その頃の暮らしが信じられない思いです。
20年以上前に飼っていた柴犬も認知症が進み、室内での粗相が増えました。でも当時は、ペット用のおむつが一般的でなく手に入れることができませんでした。そのため、赤ちゃん用の紙おむつを購入して、尻尾の箇所をはさみでカットして使用したものです。
あの頃の時代のことを思えば、大変便利になったのですが、使い慣れていなかった当初は、おむつを使用すること自体に戸惑いがありました。そのため、すんなりとおむつの着用に移行できず、いろいろと試行錯誤を重ねてきました。
最初に行った粗相対策は、子ども用のビニールプールを庭に置いて、その中を周回させる方法です。10周くらい周回すると、排尿をします。これを1日2~3回実施しました。しかし、それでも室内での排尿が確実に防げるわけではありません。
そこで大きめのビニールプールを購入して、室内にいるときは、その中で過ごしてもらうことにしました。しかし、プールの縁が低かったため、ジャンプして簡単に乗り超えてしまいます。
さらに縁が高いプールを入手してしばらく使用していたのですが、愛犬の目線より縁が高いので、周囲の景色が見えないことに気づきました。これではまるで監禁しているかのようです。そのため、プールで歩行させるのは早々に断念して、リビングに柵を設けて歩行空間を確保する方法に変更したのです。
腸の不調で病院のお世話に
愛犬ななみは15歳の頃から、腸の調子が悪く下痢をするようになりました。当初は市販のサプリメントでどうにかやりくりしていたのですが、あまりにも症状が続くので動物病院で診てもらうことにしました。
薬を処方してもらい、治ったと思うのも束の間、薬をやめると元の状態に戻るので、毎月病院に通い薬をもらうことにしました。それは現在でも続いています。おかげさまで、この2年間は腸は快調です。
獣医師からアドバイスを受けたのは食事でした。おかゆが腸に優しいということなので、それを毎日の食事にしています。もちろん、それだけでは栄養のバランスが悪いので、高消化性のドッグフードにお湯を加えたものを併用しています。
さらに野菜を与えると軟便対策になるとのことでしたので、里芋、サツマイモ、カボチャ、大根などを刻んで煮たものを食事の上にトッピングしています。
以前は、ドッグフード単独の食事だったのですが、思い起こせば、腸が不調になる以前から、食事を残す、あるいは食べないといったことがしばしばありました。その頃から、徐々に腸が悪化していたのかもしれません。
現行の食事形式にして2年になりますが、ありがたいことに、食欲が以前よりも増進したかのように、勢いよく食べるようになりました。
おむつが欠かせない生活に
現在は外で歩行することが困難になっています。1日のほとんどを室内で過ごすようになったために、排尿、排便はおむつのお世話になっています。ペット用おむつのなかった時代を知っているだけに、老犬と暮らすうえで、最大の貢献者は紙おむつではないかと思えるほどです。
不思議なのは排便です。元気なときは、後ろ足に力を入れる独特のスタイルで排便していましたが、これも次第に自立できなくなりましたので、私の方で気配を察して急いで身体を支えるようにしていました。
ところが、現在のように、おむつのお世話になるようになると、いつの頃からか、睡眠中に排便をするスタイルが定着してきたのです。夜中に、口をもこもごさせていると、決まって排便をした後です。朝目覚めの挨拶をした時は、高い確率で排便が完了しています。
老化か目立ち始めた頃は、足腰が弱ったら自力で排便ができなくなるのではと危惧していましたが、なんとも予想外の楽な方法を編みだしたものだと感心しています。
おむつは清潔第一
私も勤め人を辞めてから10年近くになり、けっして裕福な生活をしているわけではありません。正直なところ、紙おむつの経済的負担はけっして軽いものではありません。
しかし、ひとつだけ心がけていることは、『清潔第一』。使い回しはしないというのはもちろんですが、こまめな交換も心がけています。
ペットを脳内で擬人化してしまう妻に至っては、いつも同じおむつを着けていると、「ななみが恥ずかしい思いをする」と言って、同じ柄が連続しないように心がけているほどです。たとえビールの量を減らしてでも、紙おむつは惜しみなく使う。それが今の我が家のモットーになっています。
作家、フリーライター、文芸同人誌『あるかいど』発行人
短編小説集『けったいな犬やっかいな猫』(ことの葉ブックス)で、保護犬と暮らす青年の生き様を描く。
現在、シニア犬の柴犬、ななみと暮らす。