犬を家族に迎え入れる際の心構え
2023/10/30
犬を家族に迎え入れるのは決して簡単なことではありません。かならず「大変だ」と痛感する場面に直面します。でも大変さ以上の「幸せ」や「充実感」も犬が居てくれるからこそだと実感します。今回はこれから犬との暮らしを始める方に考えていただきたいことについてです。
15年後の自分は何をしているか答えられますか?
犬の平均寿命はおよそ15年です。トイプードルやシーズー、ヨークシャーテリアは20歳を超えることも珍しくありません。
目の前にいる愛らしい子犬を家族に迎えた場合、最後の時を迎えるまでの15年間、家族は責任を持ち続け、お世話を続けなければなりません。
15年という時間は決して短くはありません。
15年の間に引っ越しや結婚、出産、持病の悪化、転職などをすることもあるでしょう。今の時点で自分の15年後を確約したり、15年間ずっと健康で元気に犬のお世話ができると断言するのも難しいでしょう。
もちろん家族だけでなく、犬にも同じことがいえます。15年の間に怪我や病気になることも当然あります。
犬は6歳を超えるとシニアと呼ばれる年代に入ります。15年の平均寿命のうち、その半分をシニアとして過ごします。シニア犬のお世話やお手入れは簡単なことばかりではありません。寝たきりになり介護をしたり、痴呆症を発症することもあります。
犬を家族に迎え入れるということは、家族にも愛犬にも「もしも」のことが起きた時、必ず何らかの方法で対処できるかどうかをあらかじめ考え、最後の時を迎えるその時まで責任を持つということです。
一生分の飼育費用は300万円越え!想像以上に高額な犬との生活費
犬との暮らしでは
・ドッグフード・おやつ
・トイレシーツ
・シャンプー代
・医療費(予防注射、病気の治療)
・リードや首輪などお出掛け用品
・消臭剤など消耗品
など毎月様々な費用がかかります。たとえ若く健康な犬でも毎年予防注射や病気予防のための薬剤の服用は欠かせません。
小型犬の場合、ドッグフードは毎月数千円程度ですが、大型犬の場合は1万円を超え、トリミングサロンでシャンプー、カットをする場合の費用は5000~1万円が相場です。
家庭ごとに犬へのお金のかけ方は様々ですが、一生涯にかかる費用の相場は300~500万円ともいわれています。もちろん犬のサイズ、飼育環境、ドッグフードの品質、医療費など必ずしも全ての犬に数百万円の費用が掛かる訳ではありませんが、毎月数万円程度は予算として見込んでおくと安心です。
犬を家族に迎え入れる前に、今の自分自身に犬と暮らすだけの十分な経済的な余裕があるかどうかをしっかりと見極めましょう。
ペットホテルは1泊5000円が相場!旅行中のペットはどうする?
犬を飼うかどうか決断するうえで多くの方が悩むのは「旅行」や「帰省」の間の犬の居場所についてでしょう。
一般的にはペットホテルを利用しますが、ペットホテルの利用は1泊5000円程度が相場です。
最近では、24時間スタッフが常駐し、広々としたスペースで過ごすことが出来る代わりに一泊数万円かかるペットホテルも登場しています。
旅行や出張、帰省で家をあけることが多いライフスタイルを送っている方は、留守中の愛犬の過ごし方、そこにかかる費用をどう捻出するのかを事前に考えてみてください。
ペットホテルの中には長期滞在を受け付けている施設もありますが、犬のストレスや運動不足を考えると多くの方は2泊程度で帰宅をするようにされています。
犬の問題行動は飼い主の責任!しつけは室内・屋外共に必須事項
犬のしつけと聞くと、お座りができる、マテができる、SNSには何とも可愛らしい得意技を披露する犬もいます。
でも本来の意味の犬のしつけは「周りに迷惑をかけない」「危険な場面を作らない」ことです。
家中では大切な家具や想い出の品を愛犬が壊したり、汚してしまうこともよくあることです。
家族にとってはかけがえのない物でも、愛犬にとっては単なるオモチャで興味本位の行動でしかありません。犬と飼うということは、思わぬショックを受けることもありえます。
また屋外では
・散歩中に無駄吠えをする
・自転車やバイクを追いかける
・他人や他犬に攻撃的な態度、行動を見せる
・飼い主を強く引っ張りながら歩く
という行動は、思いもよらぬ場面で事故を引き起こしかねません。
犬が直接相手に触れていなくても、相手が恐怖を感じたり、驚き転倒し怪我をする可能性もあります。
いつも大声で吠える癖がついていると、周囲との騒音トラブルにもつながります。
犬を飼うということは、人間社会で、愛犬が周囲に迷惑をかけないよう暮らし方を教える責任が生じるということです。
初めて犬を飼うから、犬が言うことを聞かないから、いつもは大人しい犬だからという言い訳は事故やトラブルが起きた後では通用しません。
犬を飼い始める前に、しつけ教室やトレーナーの目星をつけ、費用を確認しておくと安心です。
まとめ
犬を家族に迎え入れるということは、15年後までのライフプランや経済的な余裕、犬のお世話に十分な時間を割けるかをしっかりと考えることが絶対に必要です。焦らず十分に時間をかけて考えてみてください。
大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。生体販売・ペットショップ店長・トリマー・トレーナー・新規事業開発・成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダー・ペット関連用品の開発など、国内最大手のペット関連企業において経験。独立開業後は、WEBサイト、雑誌などへコラム執筆や企業顧問、商品開発、各種マーケティング業、専門学校講師を勤めています。
ゴールデンレトリバー(サーフ&海)、チワワ、猫と全員元保護犬、猫達とペットライフがもっと楽しく、もっと快適になるよう目指しています。
保有資格:
●愛玩動物飼養管理士
●トリマー
●トレーナー
●アロマセラピスト
●ホリスティックケアカウンセラー
●ペット食育士
●ペット災害危機管理士
●マウスケアメンター
●一般社団法人日本ペット用品工業会認定 ペット用品販売士
●ペットロスケアアドバイザー
●セラピードッグトレーナー
●動物葬祭ディレクター
●ペット共生住宅管理士