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その姿勢、本当に正しい状態?愛犬の姿勢からくる体調不良を見逃さない!

その姿勢、本当に正しい状態?愛犬の姿勢からくる体調不良を見逃さない!
獣医師・岩田まりこ

2023/10/14

どうして愛犬は首周りのマッサージを喜ぶのか?

皆さんの愛犬は、首の辺りを触られることを好んでいませんか?

私は幼い頃、飼っていた犬たちが可愛くて仕方なく、犬小屋に入って一緒に過ごすことがありました。そして、今でも覚えていますが、愛犬の首をよく揉んでいました。幼いながらも、他の場所を撫でるより、首を揉んであげると明らかに「気持ちいい〜」と目を細めたり、寝そべったりしてリラックスしてくれていました。

当時の私は「犬は首輪をして繋がれているから、肩が凝るのだろうな・・・」と思っていましたが、あれから25年以上の時を経て、犬の整体を学び、その理由が他にもあることを知りました。

愛犬はほとんどの体重を前足で支えています。

愛犬が首周りのマッサージを喜ぶ理由は、犬の体のつくりが大きく関わっています。

犬は基本的に体重の6~7割を前足で支えています。車でいえば前輪駆動です。

しかも犬は鎖骨が退化していてほとんどありません。鎖骨は、上記のイラストのように、肩甲骨、そして肩甲骨からつながる腕、それらと体を繋いでくれています。つまり、鎖骨があることで腕がしっかり体に固定されるのです。

人間のように鎖骨があると、腕を前後に動かすだけでなく、腕を横に広げて動かすこと、例えば木にしがみついたり、体重をかけて木にぶら下がるなどの動きが可能になります。

一方、鎖骨のない犬は、こちらのイラストのように、筋肉だけで肩甲骨を体にくっつけています。その状態で前足を動かしています。正確には四つん這いなので、体の重さや動くときの衝撃も筋肉でまかなっていることになります。

このような体つきになったのは、犬の祖先である狼が、草原で狩りをするときに、より早く走れるように前足の振り子状の動き(前後の動き)を優先させた結果でもあります。

犬としては、この鎖骨を退化させることで、四つん這いの状態で、より肩甲骨が自由に動かせるようにしているのです。

首周りのマッサージを喜ぶ理由

このような犬の特徴的な体のつくりに加え、大型犬やコーギー、チワワなど、体の大きさに比べて頭が大きい犬種は、頭を持ち上げて飼い主さんを見上げるので、首周りに負担がかかってしまっています。

若くて筋肉が多く、元気なら問題ないのですが、シニア犬や体のバランスが悪くなっている愛犬には負担が大きくなります。さらに、膝蓋骨脱臼など後ろ足にトラブルがあれば、ますます前足に負荷がかかってきます。

ですから、肩甲骨の上の首周りのマッサージは、日頃、酷使している筋肉をほぐされるので、愛犬は喜んでくれるのです。

愛犬の姿勢の変化のチェック方法

飼い主さんが愛犬の姿勢の悪さに気づくタイミングは「腰が曲がっている」、「顔が下がっている」、「歩きにくそうにしている」というような見た目の変化が見えた時だと思います。

愛犬の姿勢の変化に気づくのは意外と難しく、他の子と自分の愛犬を比べる機会でもなければ、愛犬のこの姿勢が普通だと思いがちで、異常に気付けない場合が多々あります。

愛犬の姿勢が悪くなると、実は内臓の負担になり、思わぬ病気に繋がってしまう場合もあります。ですから姿勢の異常がないか?是非飼い主さんが、注意して日々確認をしてください。

気づきやすいシグナルとしては

  1. 手足や腰を頻繁になめている(しびれから体を舐めることがあります)
  2. お散歩のとき左右どちらか一方に傾いて歩いている
  3. くるくる回ってしまう(痴呆症ではなく、体が思うように動かない場合があります)
  4. 特定の指の爪ばかり削れる、肉球が不均一につぶれる

などがあります。

その他、目に見えないシグナルとしては、

  1. 食欲が落ちる
  2. 食べたいのに食べられない感じがする
  3. おなかが張る
  4. 咳が出る

こんな内科的な症状も姿勢の悪さが影響していることがあります。

理由は、前重心になりすぎて頭が下がり、後ろ足がお腹の方に入ってきてしまうことで、お腹が曲がって圧迫され、消化が悪くなったり、流れが悪くなってガスが溜まったりすることで起きます。

このようなサインが見られるのは、神経系の病気や内科的な病気の場合もあるので、一度受診をおすすめしますが、今一度、愛犬の症状と姿勢についても見直してみてください。

日頃のマッサージは重要

こちらの写真は、姿勢が悪くなった愛犬がマッサージなどのケアを行うことで、正しい姿勢になった事例です。

愛犬の姿勢が悪くならないように、日頃から飼い主様がマッサージを取り入れることで、愛犬の体を楽にしてあげられますし、不必要なお薬を飲まずに済むかもしれません。

一人で判断するのが難しいときは、月一回程度のメンテナンスを兼ねて、プロの整体師さんにチェックしてもらうのもお勧めです。




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獣医師・岩田まりこ (いわた まりこ)

北里大学獣医畜産学部獣医学科卒業後16年間、動物病院、保健所に勤務。
東洋医学・マッサージ・メディカルアロマを使って、飼い主さん自身が「愛するペットの健康を自分の手で守る」ホームケア講座を主催。1,000頭以上の飼い主さんへ自然療法のアドバイスを実施。

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