シニア犬が痩せてしまう原因とは?対処方法や予防方法紹介します
2023/07/27
シニア犬(老犬)が痩せる理由
シニア期に入った愛犬が痩せてくると、飼い主さんとしては心配になりますよね。
シニア犬が痩せる理由は、主に以下の通りです。
- 食事の量が減る
- 運動量が減る
- 影響吸収率の減少
食事量が減る
シニア犬になると、成犬に比べ全体的な食事量が減少します。
また、老化とともに味覚が変わることもあり、いままで食べていたフードを嫌がることもあります。
ほかにも、噛む力が弱まることでドライフードが食べにくくなり、食事量が減ることもあります。
運動量が減る
シニア犬になると、散歩に行きたがらない子も増えてきます。
また、散歩以外でも寝ている時間が増えるなど、シニア犬の1日の運動量は成犬期に比べて減少します。
運動量が減るとお腹が空かなかったり、筋肉が落ちたりすることも痩せてしまう原因です。
栄養吸収率の減少
老化が進むと、消化機能も弱まり、栄養をうまく吸収することができなくなります。
成犬期と同じ量を食べていても、栄養の吸収がうまくできないと痩せてしまいます。
シニア犬が痩せることで考えられる病気
太りすぎも良くありませんが、痩せすぎも病気のリスクが高まります。
ここでは、痩せることと関係のある病気を紹介します。
- 口内炎や歯周病など口の病気
- 腫瘍
- 腎臓病
口腔内のトラブル
口内炎や歯周病、歯が抜けるなど口内にトラブルがあると、ご飯を口に入れた際の痛みや違和感、食べにくさから食欲不振になり、痩せに繋がることがあります。
悪性腫瘍(あくせいしゅよう)
悪性腫瘍とは、いわゆる癌のことです。
体のあらゆる部位に細胞のかたまりができることで、炎症サイトカインが放出されます。
これにより、代謝機能が衰え栄養利用率が悪化します。
また、体内のたんぱく質を分解する酵素の働きを促進させるため、筋肉が落ち痩せてしまいます。
腎臓病
腎臓の機能が低下し慢性腎不全になると、多飲多尿が見られ、食欲が低下し体重が減少します。
シニア犬が痩せてしまった際の対処方法
病気の場合は動物病院での治療がメインになりますが、老化により痩せてきた場合は、どのような対処方法があるのでしょう。
ここでは、シニア犬が痩せてきた際に試したい対処方法を紹介します。
食事の回数を増やす
犬の食事は朝、夕の2回が基本ですが、消化機能が弱ったシニア犬は消化吸収が追い付かないことがあります。
その場合は、1日の給餌量を複数回に分けて与える方法がおすすめです。
少量ずつ小分けに与えることで、消化器官の負担を軽減し、栄養を吸収しやすくすることができます。
食事内容を見直す
シニア犬に合った食事は、消化が良く高たんぱく、低脂質な内容です。
成犬期とは必要な栄養バランスが異なるため、シニア用フードや全年齢対応フードの場合は給餌量を見直すなど、シニア犬に合った食事内容にすることも大切です。
トッピングをして工夫をする
食欲が低下しがちなシニア犬には、以下のような工夫もおすすめです。
- ドライフードをふやかす
- ドライフードをフライパンで炒る
- ささみ汁をかけて嗜好性を高める
噛む力が弱まったり、歯が抜けて食べにくかったりする場合には、ドライフードをお湯でふやかして柔らかくすると食べやすくすることができます。
お湯ふやかすことは、同時に水分補給もできるため、全体的に食欲が低下した愛犬に適しています。
ドライフードをフライパンで炒ると、香りが高まり嗜好性を高める効果が期待できます。
また、温めたドッグフードは愛犬の体にも優しくおすすめです。
ほかにも、ウェットフードをトッピングしたり、ささみのだし汁をドライフードにかけるなどの工夫も、愛犬の嗜好性を高める効果が期待できます。
また、ウェットフードなら食べてくれる場合は、総合栄養食と記載のあるウェットフードへの切り替えも検討しましょう。
シニア犬が痩せないための予防方法
老化が進むと、ある程度の体重減少は避けられませんが、痩せすぎてしまわないためにはどのような予防方法があるのでしょう。
ここでは、シニア犬が痩せすぎないためにできる予防方法を紹介します。
高たんぱくなフードを与える
体重と食事の関係は、犬にとっても非常に重要です。
シニア犬の食事は、筋肉が落ちないために高たんぱくであることが重要です。
タンパク質は、肉や魚などの動物性たんぱく質が適しており、犬にとって消化の良い食材であることからもおすすめです。
運動習慣を見直す
シニアになると、散歩など運動を嫌がる子も少なくありません。
しかし、運動をしないと筋肉が落ち、どんどん痩せてしまいます。
筋力を維持するためにも、無理をしない程度に散歩に連れて行ったり、家の中でもおもちゃなどを使い体を動かしながら遊べる環境づくりも大切です。
シニア犬が痩せる原因と対策
- 食事の量が減る
- 運動量が減る
- 栄養吸収率の減少
シニア犬が痩せてしまう原因は、主に上記の3つです。
成犬に比べ、ある程度痩せてしまうことは避けられませんが、痩せすぎは病気や寝たきりの原因に繋がり良くありません。
シニア犬の痩せすぎを防ぐためには、食事の見直し、適度な運動習慣、毎日の健康チェックが欠かせません。
愛犬がシニア期に入っても元気で過ごすために、飼い主さんはシニア犬に合った生活環境を作ることが大切です。
24時間急患対応の動物病院で、動物看護士として勤務。
その後、動物園やペットショップなど動物関連の勤務経験を得て、2016年よりwebライターとして活動。
飼い主さんが正しい知識でペットを飼育するための情報発信をしている。
保有資格
ドッグライフカウンセラー、愛玩動物救命士、愛玩動物搬送士、愛玩動物介護士
飼育経験
犬(ゴールデンレトリバー、ミックス)、猫(ミックス)、ハムスター(ゴールデン、ジャンガリアン)、インコ(セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ)、鶏(ブロイラー)