シニア犬に適した環境づくりとは?安全で快適に暮らすポイントを紹介します
2023/07/25
シニア犬の健康維持には環境の見直しも大切
犬はシニア期に入ると、心身ともにあらゆる変化が見られます。
シニア犬になると、足腰が弱ったり感覚が鈍ったりすることから、体が思うように動かず、不安やストレスを感じやすくなります。
シニア犬が不安やストレスを感じず、安全かつ快適に生活をするためには、飼い主による生活環境への配慮が欠かせません。
シニア犬に適した環境づくり
愛犬がシニア期に入ったら、飼い主さんは食事、運動、環境の3つを見直す必要があります。
ここでは、シニア犬の安全性や快適性に配慮した環境づくりのポイントを紹介します。
シニア犬がいる環境で見直したいポイントは、主に以下の通りです。
・床
・家具や家電の配置
・柱や角、出っ張り
・ドア
・隙間
・階段、段差
・寝床
・トイレ、食器
・気温、湿度
床
シニア犬になると、足腰が弱り踏ん張りがきかなくなるため、滑りやすいフローリングは転倒のリスクが高まります。
フローリングはフロアコーティングをしたり、コルクマットやタイルマットなどを敷いたりして滑りにくくしましょう。
その際、毛足の長いカーペットなどは、爪が引っかかりやすく、ケガの要因になるため注意が必要です。
家具や家電の配置
シニア犬になると、感覚が鈍ることで成犬期に比べ、物にぶつかったりふらついたりするリスクが高まります。
今までは何事もなかったささいなことが、シニア犬にとってはケガの原因になるため、家具や家電の配置を見直す必要があります。
・柱や角、出っ張り
・ドア
・隙間
・電気コード
など
柱や角、出っ張り
柱や角、出っ張りは当たり所によっては大ケガに繋がります。
角が鋭利な場所は、タオルやクッション材を巻くなどして愛犬がぶつかってもケガをしないよう工夫をしましょう。
ドア
ドアやクローゼットなど、扉の開け閉めにも注意が必要です。
シニア犬になると瞬発力も鈍るため、タイミングによっては挟まってしまうことがあります。
ドアを開け閉めする際は、愛犬が近くにいないか確認をしたり、開けっ放しにしたりしないよう注意しましょう。
隙間
感覚器官が鈍ると、隙間の大きさが分からなくなり挟まって出られなくなることがあります。
愛犬が入れそうな隙間は極力ふさぎ、愛犬の居る空間は無駄なものを置かず広々としていることが理想です。
電気コード
電気コードなどのささいな障害物も、シニア犬にとってはつまずいたり絡まったりする原因になります。
コード類は、束ねて壁際に通したりカバーをつけたりして、ケガを未然に防ぐことが大切です。
階段、段差の工夫
階段や段差は、足腰の弱ったシニア犬にとって、非常に負担がかかります。
階段は滑り止め防止マットを敷いたり、登らせないように柵を設置するなどの工夫をしましょう。
ソファーや椅子を寝床にしていたり、座っている飼い主さんの膝に登ろうとしたりする愛犬は少なくないでしょう。
このような段差の上り下りは、成犬時には問題なくできていても、シニア犬になると大きな負担になります。
ソファや玄関などの段差には、ステップやスロープを設置して、愛犬の生活範囲に段差を極力なくすことが大切です。
また、どうしても飼い主さんのいる場所に上りたがる子には、ソファや椅子を座椅子にする、ベッドをローベッドや布団に変えるなど、飼い主さん側の環境を変えることも時には必要です。
寝床
シニア犬は、成犬に比べ活動量が減り、1日の大変を同じ場所で寝て過ごすようになります。
一人になることを不安に感じる犬の習性を理解し、愛犬の寝床は家族の顔が見渡せる場所に設置しましょう。
また、ペットベッドは長時間使用しても体が痛くならない様、クッション性のある素材でできたものがおすすめです。
トイレ、食器
シニア犬になると、足腰の衰えや病気などによりトイレが間に合わなくなることがあります。
トイレが遠すぎる場合は、場所を近づけたりトイレを増やしたりするなどして、愛犬がなるべくトイレで排泄できるよう配慮しましょう。
食器の高さが低すぎると、吐き戻しや胃捻転、腰痛、関節炎などのトラブルを起こしやすくなります。
愛犬が食べやすい食器の高さは、立った姿勢から首を少し下げた状態で、体高から10㎝ほど低い位置が理想です。
高さを調節できる食器台を使用するなどして、愛犬の負担にならない高さに調節しましょう。
気温、湿度
犬種によって適温は異なりますが、気温は25度前後、湿度は50%前後を目安に保ちましょう。
愛犬の様子を観察しながら、適した温度や湿度を調節することが大切です。
また、愛犬の寝床は風通しや陽当たりは良く(夏場は除く)、寒暖差の少ない場所がおすすめです。
シニア犬が安心、安全に暮らせる環境を整えることが大切
・シニア犬になると不安やストレスを感じることが多くなる
・シニア犬が安全で快適に過ごせるよう環境を見直すことが大事
シニア犬になると、今までできていたことができなくなり、些細なことで不安やストレスを感じがちです。
ストレスは病気の原因にも繋がるため、飼い主さんは愛犬がストレスなく生活できる環境づくりをすることが大切です。
また、環境の見直しは症状が出る前から対策をすることで、環境の変化を受けにくくより快適な生活を送ることができます。
飼い主さんは愛犬の将来を考え、早め早めの対策が望まれます。
24時間急患対応の動物病院で、動物看護士として勤務。
その後、動物園やペットショップなど動物関連の勤務経験を得て、2016年よりwebライターとして活動。
飼い主さんが正しい知識でペットを飼育するための情報発信をしている。
保有資格
ドッグライフカウンセラー、愛玩動物救命士、愛玩動物搬送士、愛玩動物介護士
飼育経験
犬(ゴールデンレトリバー、ミックス)、猫(ミックス)、ハムスター(ゴールデン、ジャンガリアン)、インコ(セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ)、鶏(ブロイラー)