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愛犬と機内へ同乗できる日本初の飛行機

愛犬と機内へ同乗できる日本初の飛行機
犬LOVE編集部 増田暢子

2023/07/28

犬とのお出かけで迷うのが、交通手段です。マイカー移動の場合、どうしても目的地が限られてしまいます。とはいえ、離島などにも行ける飛行機だと、犬は受託荷物となるため安全性の面で不安要素が多いです。そんな中、飛行機の機内ペット同伴サービスが日本でも始まりました。そのサービス概要や注意点などをご紹介します。

愛犬とのお出かけのネックは交通手段

愛犬と一緒にでかけたい場合、気軽で安心できる移動手段はマイカーでしょう。しかし、愛犬家のみなさんが全員免許を持っておられるわけではありませんし、何よりも車の場合、行動範囲も制限されてしまいます。

離島などに行きたい場合や移動時間なども考えると、飛行機を使いたいこともありますが、飛行機だと隔離される時間が長く愛犬の様子を確認できないため、安全性が大きな不安要素でした。

そこで登場したのが、スターフライヤーが2022年に始めた日本初の機内ペット同伴サービスです。今回は、このサービスの内容をできるだけ詳しくご紹介します。あわせて、飛行機での移動のリスクもご紹介しますので、参考にしてください。

日本初の取組み:スターフライヤーのFLY WITH PET!

◯従来の飛行機輸送

従来も、愛犬を航空貨物として輸送する手段の他に、ペット連れで搭乗することは可能でした。JALやANAも、ホームページ上でペット連れで搭乗する場合の条件や注意事項などを明示しています。

ただし動物は受託荷物の扱いとなるため、愛犬はクレートに入った状態で貨物室に乗せられるというものでした。飛行中の愛犬は、他の荷物と一緒に無人の貨物室で過ごすのです。また搭乗や降機時も、他の荷物と一緒に職員に運搬されることになります。

搭乗、降機時および飛行中は、完全に愛犬と隔離されるため、どのような環境下でどのように過ごしているのかを確認することができません。万が一の場合でも、飼い主さんは愛犬のもとに駆けつけることができないのです。

◯スターフライヤーのFLY WITH PET!サービスの概要

こういった状況に対するお客様の声などを受けてスターフライヤーが開始したのが、日本初の機内ペット同伴サービス「FLY WITH PET!」です。2022年3月から、北九州ー羽田線の4便を対象に始まり、早くもその年の冬から北九州ー羽田線の全便に、同伴可能匹数も1便あたり2匹まで(1名につき1匹)へとサービス内容も拡充されました。

規定に準じたクレートに入れた小型犬と一緒に搭乗、降機でき、飛行中も隣の座席に座れるため、常に愛犬の様子を確認できて安心です。保安検査場でも、飼い主さんご自身が、愛犬を抱きかかえて通過します。

飛行中の愛犬は、おむつを着用して規定のクレートに入り、シートで覆われた最後列の窓側席の上にシートベルトで固定されます。飼い主さんは、隣の座席に座ります。クレートはシールロックされて開けられませんが、給水機で水を飲ませたり様子を確認することができます。

他の乗客に迷惑をかけないためのニオイやアレルギー対策は、医師や獣医師の指導を受けて徹底的に行われています。愛犬におむつを着用させ、優先搭乗や最終降機をさせるのも、その一環です。

同伴できるペットは、50cm×40cm×40cmのケージに余裕を持って入れる小型の犬および猫で、同伴料金は1匹につき50,000円です。

予約期限は搭乗の4日前までで、ホームページでサービス内容の確認と同意書への同意を行うことで、航空券とペット機内持ち込み料金の申し込みができます。
FLY WITH PET!ホームページ:https://www.starflyer.jp/checkin/pet/flywithpet/#seet

目が届いたからといって「絶対安全」はない!

◯なぜ飛行機輸送はリスクが高いの?

機内ペット同伴サービスは、愛犬との飛行機旅の不安要素をかなり下げてくれるものです。とはいっても、犬にとって飛行機で移動するリスクは、他の交通機関よりも高いのが現実です。犬にとっての飛行機旅のリスクをご紹介します。

<気圧の変化>
高度が変わるため、気圧の変化が大きくなる可能性が高いです。急激な気圧の変化は、健康な動物にも悪影響を及ぼすことがあります。

<高いストレス>
飼い主さんと一緒に同乗できる場合でも、飛行機のエンジン音など、耳慣れない騒音が強いストレスになることもあります。

<安定しない温湿度>
スターフライヤーの判断により、受託手荷物としての取り扱いになる場合があります。そうなると、従来同様目の届かない環境での搭乗、降機、フライトとなり、温湿度の管理が行き届かなくなる可能性があります。

<万が一の際の対処>
機内に同乗した場合でも愛犬の扱いは手荷物です。緊急時の酸素サービスは受けられず、脱出の際も愛犬を機内に置いて行かなくてはなりません。
同意書:https://www.starflyer.jp/checkin/pet/flywithpet/pdf/conditions_2208.pdf

◯飛行機での移動には向いていない犬の特徴

犬も猫も、短頭種と呼ばれているマズルの短い品種は、飛行機での移動には向いていません。短頭種の鼻や喉は元々呼吸がしづらい作りのため、暑さによる体温調節が苦手だからです。同じ理由で、まだ若い子犬や高齢の犬も向いていません。

また持病のある犬も向いていません。個体差や持病の種類にもよりますが、気圧の急激な変化が病気の症状を悪化させることがよくあるからです。

◯飛行機輸送による死亡事故事例

2021年の夏に、ある小型犬の飼い主さんが、飛行機の移動により愛犬を亡くすという事故が起きました。以下にご紹介するのは、飼い主さんのSNSへの投稿が元になり、広く知られるようになった事故の概要です。

ペットホテルを予約できず、「ペットとおでかけサービス」を利用して愛犬と一緒に大分に向かったご夫婦が搭乗した便が、機材故障により離陸できなくなりました。代替え機に搭乗するまでの約1時間半の間に、受託荷物として職員の管理下にあった愛犬が炎天下の屋外で20分以上待機させられてしまい、熱中症で亡くなりました。

◯JALおよびANAが公表している過去の死亡事例件数

JALとANAは、ここ数年のペットの死亡事故件数をホームページ上で公表しています。それによると、各社の死亡事故件数は下記になります。

<JAL>
2017年=1件:6月(犬)
2018年=1件:5月(犬)
2019年=3件:6月(猫)、11月(犬)、12月(猫)
2020年=1件:4月(小鳥)
2021年=3件:7月(犬2件)、8月(犬)
JAL 死亡事例について:https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/support/pet/case/

<ANA>
2015年=1件:3月(犬)
2016年=1件:10月(犬)
2017年=1件:1月(犬)
2019年=1件:11月(犬)
2020年=1件:1月(犬)
2021年=5件:2月(犬)、5月(犬)、8月(猫)、9月(犬)、12月(猫)
2022年=2件:11月(犬)、4月(犬)
2023年=3件:4月(犬2件)、5月(犬)
ANA 過去の死亡事象について:https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/international/pets_qa/

最適な移動手段を選択しよう!

何事にもリスクはつきものです。犬と一緒に飛行機で移動する場合、今まではとても高いリスクの壁が立ちはだかっていました。搭乗や降機、飛行中に愛犬と隔離されてしまうことが、リスクを大きくしている要因でした。

今回ご紹介した機内ペット同伴サービスは、この問題点を解消する画期的なサービスです。ただし、それだけですべての問題が解決できるわけではありません。自衛手段や安全策、愛犬の性格や健康状態も考慮の上、最適な移動手段を選択することが大切です。




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犬LOVE編集部 増田暢子 (ますだのぶこ)

子どもの頃から動物が好きで、特に高校時代にはコンラート・ローレンツ博士の著作にはまり、動物行動学に興味を持つ。大学では畜産を専攻し、乳牛の世話や豚の種付けから出産、子豚の飼育までといった貴重な経験をする。

一旦就職し保護猫3匹と共に暮らしていたが、最後の子が慢性腎不全に加えて脳腫瘍を発症したのを機に、看病に専念しようと退職し、看病の傍ら伴侶動物に関する資格を取得。現在は、動物関係を中心としたWEBライターとして活動。

<所有資格>

・小動物看護士
・小動物介護士
・ペット飼育管理士
・ドッグシッター
・キャットケアスペシャリスト
・キャットシッター

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