毎日ウンチが出ていますか?シニア犬に多い「隠れ便秘」
2023/09/15
「毎日いいうんちが出ていますか?」犬のうんちは、毎日出るだけでは健康とはいえません。特にシニア犬は加齢により筋力が低下し、排便に苦労することが増えています。今回は、シニア犬に多い「隠れ便秘」と家庭でできる改善法をご紹介させていただきます。
コロコロな細切れうんちは、便秘のサイン!
毎日の愛犬のうんちは健康状態を知るための大切なバロメーターです。特にシニア犬は日々体調が変化するので、ただ片付けるだけでなく、しっかりと異変が無いかのチェックをしておきましょう。
愛犬のうんちが
・数cmほどに短く、細切れで出る
・乾燥している
・明るい黄色、緑、黒など茶色以外の色
・血液に似た臭いがする
・拾い上げることができないほどに柔らかい
このような場合は、体調不良のサインです。早急に動物病院を受診し、原因を突き止めておきましょう。
実は、短く細切れのうんちをする犬は多いものの、これは決して健康な状態ではありません。
愛犬のうんちが数個に分かれて排便されている場合は、便秘の兆候があり、排便に苦労していたり、お腹に膨張感がある可能性があります。
理想的なうんちの形はバナナ1本型
犬の理想的なうんちは「バナナ型」です。一本のバナナそのままの形で排便されること、また同程度の柔らかさが健康な状態です。
愛犬はバナナ状のうんちを毎日出せていますか?
バナナ状の健康なうんちが出せていない場合、それは隠れ便秘の可能性があります。
一見すると、毎日排便があるので健康状態が問題無いように感じられますが、実はすべてのうんちを排出しきれていないので、慢性的な便秘状態にあり、新陳代謝の低下や内臓への負担が起きています。
このような不調は、シニア犬に気力や運動量の低下、食欲減退など様々な不調をもたらす原因にもなっています。
では、うんちが短く細切れになってしまう原因は何か?というと
・加齢による筋力の低下
・摂取水分量不足
・消化吸収機能の低下
・排便時の姿勢
など色々な原因が考えられます。
特にシニア犬の場合、加齢による筋肉の低下が原因で、うんちを排出しきれなかったり、排便中に力み続けることができない、姿勢を何度も変える、排便を途中で切り上げるなどもその原因になっています。
すでにシニア期を迎えた愛犬にたくさんの運動をさせ、筋力の回復を目指すことは、足腰への負担を考えると現実的ではありません。
シニア犬の隠れ便秘を解消するには、毎日の食事の見直しで対策を講じてゆきましょう。
隠れ便秘が起こる最大の原因は摂取水分量不足
毎日しっかりご飯を食べ、朝夕の散歩を欠かさず、お手入れも習慣化しているにもかかわらず、隠れ便秘が慢性化してしまう原因は、体の中が乾いているからです。
つまり、必要量の水を飲めていない暮らしが続いているためです。
愛犬が毎日食べているドッグフードのパッケージを確認してみましょう。
「成分表示」という欄に「水分」が記載されていて、10%以下の数値が書かれていませんか?
ドライフードとして販売するためには、湿気によるカビや劣化、虫の発生を防ぐために含有水分量を10%以下に加工しなければならないという基準があります。
つまり肉や魚、野菜を高温で調理し、水分を蒸発させ、カラカラに乾いた状態に加工したものがドライフードです。
この水分量を私達が毎日食べている食事と比べてみると違いは歴然です。私達の食事や食材には60~70%の水分が含まれています。私達は食材や食事、飲水を通じて十分な水分を摂取できているということです。
生き物が健康を維持するうえで、十分な量の水分を撮り続けなければならないのは犬も人間も同じです。
水分摂取量の不足は新陳代謝を低下させ、内臓機能の動きを鈍らせ、便秘を引き起こします。
ドライフードのパッケージに書かれた注意書き、与え方をよく読んでみると、「水分を与えてください」と書かれています。
これは、愛犬がいつでも飲めるように汲み置きの水を用意するという意味ではありません。
製造過程で消滅した水分を補ってくださいという意味です。
でも、実際に愛犬の大量の水を飲ませることは難しいうえに、適量はどの程度なのかを家族が計量するのも簡単なことではありませんね。
簡単解決!摂取水分量を増やす方法
愛犬がもし短く細切れなうんちをしている場合は、体の渇きを改善するために摂取水分量を増やす工夫がすぐに必要です。
そのためには
・ドライフードをふやかして与える
・キャベツなど水分量の多い野菜を茹で、ドライフードにトッピングして与える
・手作り食に切り替える
・食事にスープ(肉や野菜のゆで汁など)を加え与える
等の手軽な方法がオススメです。
まとめ
シニア犬が毎日快適で健康的に暮らせているかどうかのバロメーターは、じつはうんちの状態で見極めることができます。短く細切れなうんちが続かないよう、季節や体調に合わせて食事に一手間加えてゆきましょう。
大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。生体販売・ペットショップ店長・トリマー・トレーナー・新規事業開発・成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダー・ペット関連用品の開発など、国内最大手のペット関連企業において経験。独立開業後は、WEBサイト、雑誌などへコラム執筆や企業顧問、商品開発、各種マーケティング業、専門学校講師を勤めています。
ゴールデンレトリバー(サーフ&海)、チワワ、猫と全員元保護犬、猫達とペットライフがもっと楽しく、もっと快適になるよう目指しています。
保有資格:
●愛玩動物飼養管理士
●トリマー
●トレーナー
●アロマセラピスト
●ホリスティックケアカウンセラー
●ペット食育士
●ペット災害危機管理士
●マウスケアメンター
●一般社団法人日本ペット用品工業会認定 ペット用品販売士
●ペットロスケアアドバイザー
●セラピードッグトレーナー
●動物葬祭ディレクター
●ペット共生住宅管理士