激痩せから肥満に、そしてまた細身へと変身
2024/02/03
愛犬ななみは、我が家に来た当初は体重6㎏でした。その後みるみるうちに太りピーク時は12㎏になりました。ところが、しっかり食事はしているのに、15歳くらいから徐々に体重が減少していき、今では、4.8㎏まで痩せてしまいした。
肥満との戦いが始まる
保護犬として我が家に来たときは、あばら骨の位置が分かるくらいに痩せていました。6.0㎏と聞いて、特に自宅で計測することもしなかったのですが、こまめに計測するようなった今の感覚で想像すると、当時は5㎏を下回っていたように思います。
ところが1年くらい経過すると、過去の面影がまったくないくらいふっくらとした体型なってきたのです。
ななみは保護されたときに避妊手術を施術してもらっていたのですが、聞くところによると、避妊手術をした愛犬は肥満化しやすいとのこと。気をつけて間食はできる限り控えていました。当時の食事はドライタイプのドッグフードでしたので、説明書に書いてある分量を厳密に守りました。
それでも、体重はとどまるところを知らないかのように増え続けます。どんなに注意をしていても8㎏、10㎏と増えていき、14歳の夏には、ついに12㎏に到達したのです。
食事に変化が
15歳になった頃から食事に変化が現れました。ドッグフードを残すことが増え、時にはまるで口を付けないこともありました。当時は食器を床に置いていましたので、首が苦しいのではと、少し高さのある食器台を用いると、食事量が回復してきたかのように思えましたが、それも束の間のことでした。
次に缶詰類のウエットフードに切り替えました。飽きのこないように、当時よくCMが流れていた、チューブ式のおやつをトッピングしたりもしました。それでも、食事の大半を残してしまうこともしばしばありました。
食事が変則になっても、まだ肥満状態でしたから、時に食事抜きになっても、それほど深刻には考えていませんでした。
なぜ食事が続かないかと考えたとき、どうしても首を下げて食べる姿勢が気になります。そこで食器を手にして持ち上げたのですが、さしたる効果は上げません。そこで食事を掌に載せてあげることにしました。これは想定以上にうまくいき、ようやく以前のように1日2食きちんと食べてくれるようになりました。
ただ、掌での食事は、飼主側にいろいろと支障がでてきます。手が汚れるのは、後で手を洗えばすみますが、食事中に電話や来客があるとまるで対応ができません。そこで、発見したのが、シリコン製の柔らかいペット用スプーンです。これは思いの外使い勝手がよく、現在でも食事に必須のアイテムとなっています。
今では私の太ももに愛犬をまたがせて、スプーンで食事をするスタイルがすっかり定着しています。1回の食事でおかゆ60g、高消化ペットフード50gに刻んだ野菜と「ちくわor魚肉ソーセージ」をトッピングしています。
以前腸の不調になって以来、定期的に通院していますが、その効果もあって、ほぼ毎日、この量の食事を1日2回、ほとんど残すことなく食べています。
体重が減少してきた
ところが、食事は規則正しく定められた量を食べているのに、15歳の頃から体重が徐々に減少をしてきました。気がつけば、8㎏まで落ちていました。
フィラリアの薬を購入するために動物病院にいくのですが、これは血液検査を要するため、現在通院している病院ではなく、以前お世話になった病院で入手しています。そのため、自宅で体重を計測して行くのですが、16歳のときが6.0㎏、今年17歳の5月に計測したら4.8㎏まで減少していました。
食事もきちんとしているとはいえ、どこまで体重が減るのだろうと、不安な気持ちはありましたが、さいわいなことに、今のところ、4.8㎏~5.0㎏で安定して推移しているようです。
おやつは自由に食べられる
肥満だった頃は、おやつも最小限だったのですが、体重が大幅に減少した今となれば、心置きなくおやつも食べることができます。
あるテレビ番組で、あんこが筋肉を増強させるという情報が流されていましたので、特にあんこを用いたおやつを与えるようにしています。どらやき、水無月、土用餅、おはぎなどですが、どれも大変お気に入りの様子です。さらに夏の時期は、あんこ入りの「まんじゅうアイス」を喜んで食べています。
ただ、老犬になると食事に対する意欲が大きく異なります。若い頃は一般的な愛犬と同じように、食事、おやつ、デザートだと分かると、大きく口角を上げ、尻尾を振って喜びを露わにしたものです。フィラリアの薬ですら、おいしい味付けがしているのか、保管場所に向かっただけで大喜びでした。
ところが、今は食事が出たからといって、ことさら喜びを態度に表すようなことはしません。ただ、食事はしっかりと食べて、適量になると舌で弾くようにしますから、満腹になったことが分かります。感情が表に出なくなったので物足りなさはありますが、何よりもしっかりと食事をしてくれるのですから、それに越したことはありません。
作家、フリーライター、文芸同人誌『あるかいど』発行人
短編小説集『けったいな犬やっかいな猫』(ことの葉ブックス)で、保護犬と暮らす青年の生き様を描く。
現在、シニア犬の柴犬、ななみと暮らす。