犬に耳掃除は必要?掃除のやり方や注意点を専門家が詳しく紹介します
2023/07/29
犬に耳の掃除は必要?
犬の耳はトラブルがない限り、耳掃除は基本的に必要ありません。
犬の耳は奥にある耳垢を手前に押し出す自浄作用があるため、健康であれば耳垢が溜まりにくい構造になっています。
しかし、耳道が狭い短頭種や、耳内が汚れやすいたれ耳の犬種は、定期的な掃除が必要になります。
耳内が汚れやすい犬種
・トイプードル
・ミニチュアダックスフンド
・パグ
・シーズー
・ゴールデンレトリバー
・ラブラドールレトリーバー
など
耳掃除の頻度
犬の耳掃除の頻度は、耳内に汚れがある場合に行います。
週に1度は耳内の状態を確認し、汚れていないか確認しましょう。
定期的にサロンへいっている場合は、一緒に耳掃除も行ってくれます。
また、動物病院でも耳掃除を頼むことが可能です。
犬の耳掃除のやり方
自分で愛犬の耳掃除をする場合、どのように行えばよいのでしょう。
ここでは、犬の耳掃除のやり方を紹介します。
犬の耳は非常にデリケートなため、ひっぱったり力任せに擦ったりしないよう注意しましょう。
犬の耳掃除の方法は、以下の手順で行います。
①犬用のイヤーローションをコットンにしみ込ませ、耳の内側の汚れを優しく拭き取る
②イヤーローションを耳内に垂らし、耳の付け根をもむように優しくマッサージする
③汚れが出てきたらコットンで優しく拭き取る
耳の中に異常がある場合は動物病院を受診する
犬の耳内に異常がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
犬の耳に異常がある場合は、以下のような行動や症状が見られます。
・頭を振る
・耳の中が赤い
・耳の中から悪臭がする
犬の耳内に起こりやすいトラブルは、主に以下の通りです。
耳に起こりやすいトラブル
・犬アトピー性皮膚炎
・耳ダニ症
・異物
・ポリープや腫瘍などのできもの
・外耳炎
など
ドロッとした耳垢の場合は、細菌感染の可能性があります。
耳内が赤い、耳垢が多い、耳内から悪臭がする場合は、外耳炎を起こしている可能性があります。
ほかにも、黒い耳垢が多い、悪臭がする、頭を振るなどの症状がある場合は、耳ダニ症を疑いましょう。
耳ダニ症を放置しておくと、マラセチアなどカビの一種が繁殖し、重症化することがあるため注意が必要です。
犬の耳内に異常がある場合は、耳垢が多い、赤くなる、臭いがするなどの症状が見られることが多いため、普段と違うと感じたら早めに動物病院を受診すると安心です。
犬の耳掃除をする際の注意点
犬の耳掃除をする際、どのようなことに気を付ければよいのでしょう。
ここでは、犬の耳掃除をする際の注意点を紹介します。
人間用の耳かきや綿棒は使わない
犬の耳内は人間とは構造が異なるため、人間用の耳かきや綿棒の使用は控えましょう。
耳かきは耳内を傷つけやすいほか、綿棒は耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があります。
強く擦らない
犬の耳内の皮膚は非常にデリケートであるほか、バリア機能も備わっています。
強く擦ってしまうと、皮膚が傷ついたりバリア機能を壊してしまうことがあります。
耳内を掃除する際は、優しく拭き取ることが大切です。
耳の毛は抜かない
犬の耳内には毛が多く生えています。
耳内の毛が多いと、掃除がしずらかったり、通気性が悪くなったりして抜いてしまいたくなる方も少なくないでしょう。
しかし、素人が耳の毛を抜くと、水をはじいたり埃などの侵入を防ぐバリア機能まで損なってしまう恐れがあります。
耳内の毛が気になる場合は、サロンや動物病院などプロに任せることをおすすめします。
まとめ
・犬の耳は自浄作用があるため汚れていなければ掃除の必要はない
・耳に汚れがつきやすい犬種は、定期的なケアが必要
・犬の耳掃除は、必ず犬用のイヤーローションを使用する
・耳掃除の際は人間用の耳かきや綿棒は使わず、優しく拭き取ることが大切
犬の耳内は、自浄作用が備わっているため、基本的に汚れていない限り定期的な掃除は必要ありません。
しかし、汚れやすい犬種や、耳内に異常がある場合などは定期的なケアが必要です。
自浄作用がある犬の耳ですが、外耳炎や耳ダニ症などのトラブルもあるため、定期的に耳内の健康状態を確認することが大切です。
犬の耳掃除をする際は、注意点を守り愛犬が痛みを感じないよう優しく行うようにしましょう。
24時間急患対応の動物病院で、動物看護士として勤務。
その後、動物園やペットショップなど動物関連の勤務経験を得て、2016年よりwebライターとして活動。
飼い主さんが正しい知識でペットを飼育するための情報発信をしている。
保有資格
ドッグライフカウンセラー、愛玩動物救命士、愛玩動物搬送士、愛玩動物介護士
飼育経験
犬(ゴールデンレトリバー、ミックス)、猫(ミックス)、ハムスター(ゴールデン、ジャンガリアン)、インコ(セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ)、鶏(ブロイラー)