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認知症が進み右回りの高速スピンが止まらない

認知症が進み右回りの高速スピンが止まらない
作家 切塗よしを

2024/01/27

愛犬も高齢になると、いろいろと戸惑うことが増えてきます。正式に診断を受けたわけではありませんが、愛犬ななみは、おそらく認知症です。最初に症状が現れたのは15歳のとき。壁を前にすると、どちらに進めばいいのか迷っているようでした。

右回りの高速スピンがいつまでも続く

しばらくは、行き止まりで戸惑うだけでしたが、その後徐々に症状が進み、16歳になると、何かに急かされるように右回りに走るようになりました。「脳が誤った命令を発信している」という人もいますが、実際のところどうなのかは分かりません。

人間の認知症でも決定的な治療法がないのが現状ですから、犬の認知症にも特効薬もないだろうと、あえてかかりつけの獣医師にも相談していません。高速でスピンする姿を見ていると、なすすべもなく、とてもやるせない気持ちになったものです。

外の散歩は、元気な頃は毎日2回していました。長距離こそ嫌がったものの、常に意気揚々と歩いていたものです。私も、散歩する姿に注意を払うことなく、自分の考え事をしながらのんきに歩いていました。

しかし、高速スピンが常態化すると、散歩のときも例外ではなくなります。私の方は意識的に左斜め前方向にリード紐を引かざるを得なくなり、常に力を入れた状態だったので、とても疲労しました。

知らぬ間に落ち着きを取り戻していた

人間の認知症でも、劇的に症状が改善した話は聞いたことがありませんから、こうした状態は、亡くなるまで続くのだろうと半ば諦めの境地でした。ところが、症状が顕著になり始めてから半年ばかり過ぎた頃、時折、左回りでゆっくり歩行することが増えてきました。散歩をしても、ほぼまっすぐに進むことも増えてきたのです。

もちろん、あいかわらず右回りを続けていたのですが、以前のような何者かに急かされている感じではなく、自分のペースで進んでいるかのようでした。やがて高速スピンの症状がほぼ治まるのですが、理由もわからないので、ただただラッキーと言うほかありません。

17歳6カ月くらいになると、認知症の症状に関わりなく左前足が弱ってきたので、右回転そのものが困難になってきました。高速スピンで憂う必要はなくなりましたが、今度は歩行そのものが懸念材料になってきたのです。

犬の老化は人間の何倍ものスピードで進むといいますが、案の定、やがて直線の歩行もおぼつかなくなりました。おなかを下から支えて、バッグの取っ手のように吊り下げながら散歩する介護用ハーネスも利用しましたが、どうもおなかに負担をかけているようで、早々に使用を断念しました。

マイカーはペットカート

しかし、おむつをしているとはいえ、四六時中家の中で過ごすのは、いろいろな意味で問題があると認識していました。ひとつは、昼夜逆転しないかということです。ある説によれば、朝日を浴びることが、昼夜逆転の防止に効果的だというので、なるべく早朝に短時間ですが外で過ごすようにしています。

もうひとつの懸念は、妻の自立歩行が困難になってきたので、私が単独で動物病院に連れて行かなくてはならないということです。ハウスに入れる習慣がなかったものですから、一人で運転して、愛犬を乗せていく術がなかったのです。

それらの問題を解決すべく入手したのがペットカートです。ちょうどベビーカーのような形態で、愛犬を中に置いて進みます。最初は違和感があったのか、何度か脱出を試みていましたが、数カ月も使うとおとなしく座り込むようになりました。

ななみがお世話になっている動物病院は、駐車場が満車のときがあり、受診にいったもののそのまま引き返すことが何度かありましたが、徒歩10分の距離をペットカートで行くと、確実に受診することができます。

かつてベビーカーを押していたのは40年くらい前のことですが、まだ娘が小さかったときのことを思い出しながら、新鮮な空気を吸って爽快な気分で早朝の散歩に出かけています。

ただ、夏の時期は、たとえ早朝とはいえ、すでに気温が高くなっています。朝日を浴びながら、愛犬には昼夜逆転しないよう祈りながら歩いていますが、このところの暑さは、尋常ではありません。そのため、冷風機を吊り下げて常に冷風がななみに当たるよう工夫を凝らしました。いわば愛犬のエアコン付きマイカーです。

家族揃っての散歩が実現

自立歩行が困難になったのは妻も同様ですが、補助具を使用すれば歩行ができます。とはいえ、リハビリ目的だけで歩行するのは味気ないようで、散歩の機会もずいぶんと減りました。しかし、ペットカートの登場により、家族総出で散歩ができるようになり、妻の歩行距離も随分と延長されました。

散歩中は、ななみが考えているようなことを勝手に「通訳」をして、3人で楽しくおしゃべりをしながら過ごしています。もうこのメンバーでの暮らしも12年近くになりますが、すっかり見慣れた街並みを眺めながら、穏やかに時を過ごしています。




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作家 切塗よしを (きりぬりよしを)

作家、フリーライター、文芸同人誌『あるかいど』発行人
短編小説集『けったいな犬やっかいな猫』(ことの葉ブックス)で、保護犬と暮らす青年の生き様を描く。
現在、シニア犬の柴犬、ななみと暮らす。

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