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驚きの食欲!シニア犬の食欲増大の理由と対処法

驚きの食欲!シニア犬の食欲増大の理由と対処法
トリマー・トレーナー 大谷 幸代

2023/07/26

「シニアになってから驚くほどよく食べる」とこれまで愛犬の少食、偏食に悩み続けてきたものの、やっと解消できたと喜んではいませんか?実はこの食欲は決して元気で健康な証ではありません。

今回はシニア犬の暮らしで起こりがちが食欲への誤解について詳しくお話させていただきます。

驚きの早食い、大食いも!シニア犬に見られる過度な食欲

本来、愛犬がシニア期を迎えると次第に昼寝の時間が増え、運動量が減り、食欲も減退するものです。家族としては物悲しい姿ですが、これは年齢に応じて、愛犬が自分なりの暮らし方を受け入れているためなので、無理に嗜好性の高いドッグフードを切り替えたり、愛犬が満足できるようにと食事量を増やす必要はありません。

ただ一方で

・食事の時間が近づくと催促をして鳴き続ける

・丸飲みをするように早食い、一気食いをする

・空になった食器をいつまでも舐めている

・家族が食事をしていると自分も欲しいとアピールをする

というシニア犬も少なくありません。

中にはあまりの空腹からゴミ箱をイタズラしてまで、食べ物を探そうとすることもあります。

このような愛犬の様子に若く、健康な頃は少食や偏食に悩まされ、食事選びに苦労していたものの、シニア犬になってからは、わがままを言わなくなったと安心してはいませんか?

残念ながらこのような行動は愛犬がいつまでも健康で元気な証ではありません。もし愛犬が「何かおかしい」「他のシニア犬と様子が違う」と感じた時は、年齢に応じた家族のサポートを必要としているサインだと感じ取ってあげてください。

過度な食欲やドライフードの丸飲みが起こる原因は?

シニア犬の食欲が増大する理由には様々な原因があり、これまでの暮らしや運動量、現在の健康状態、服用中の薬なども大きく関係しますが、中でも大きな原因の1つが「痴呆症」だといわれています。

犬もシニア期を迎えると、痴呆症状がみられるようになり

・深夜早朝に大声で遠吠えをする

・同じ場所でグルグルと歩き回る

・自宅の場所を忘れてしまい、歩きなれた散歩道でも道を間違えてしまう

・家族の呼びかけに反応しなくなる

などの行動が見られることがあります。

この症状の1つに過度な食欲があります。

食事をすることで得られる満足感、幸福感、家族とのコミュニケーションが暮らしの中で大きな刺激になるので、いつでも食事を欲しがったり、まるで食べたことを忘れてしまったかのような行動を見せる様になります。

固いドライフードを気にすることなく、丸飲みしたり、早食いするのもこのためです。

犬も人間同様に加齢と共に口内トラブルが増加し、歯や歯茎の痛みや不調が増えるものです。

中には歯垢や歯石治療のために、抜歯をしている犬もいるでしょう。

にもかかわらず固いドライフードをバリバリと食べるのは、食べることに夢中になりすぎてしまっているからです。

決して、シニア犬になったことで、食の好みが変わったわけでもなければ、何歳になっても固いドライフードを食べられるほどに健康だからではありません。

シニア犬には年齢に見合った体に優しい食生活を

犬は3歳が身体機能の絶頂期であり、6歳からシニアと呼ばれる高齢期を迎えます。でも愛犬を見ていると6歳でもまだまだ元気いっぱいで、よく食べ、よく寝て、シニア犬であることをまるで感じないということが多いでしょう。

でも、目では見えないものの内臓機能や身体機能は年齢と共に低下し続けています。

若く健康な頃と同じ量の食事や固いままのドライフードは消化吸収に負担がかかり、シニア犬の食事としてはオススメできません。

愛犬がシニア期を迎えたら

・食事は少量複数回で与える

・ドライフードはふやかす

・食後30分程は安静に過ごす時間を作る

などのサポートがオススメです。

これまで1日2回食だった場合も、食事の回数を3~6回を増やすことで、ドッグフードを少量ずつ、小分けで消化吸収できるようになるので、体への負担を減らすことができます。

過度な食欲がある場合は、愛犬の食欲のままにたくさん食べさせるのではなく、主食となるドッグフードの量はそのままで、ササミや魚、茹でた野菜などで低カロリーな食材で量を増しましょう。

食器を舐め続けたり、いつまでも催促で鳴いてしまう愛犬には、知育玩具の活用もオススメです。

知育玩具の中にふやかしたドライフードを詰め、遊びながら少量ずつ舐め食べていると、無駄吠えの解消につながるだけでなく、愛犬の脳トレにもなります。

まとめ

シニア期を迎えても、まだまだ元気いっぱいで、いつまでも昔のままの様に思える愛犬も実は内臓機能の低下や認知機能の変化が起こっています。

健康維持に何より大切な食事には、愛犬の年齢や体調に合わせた工夫を講じてゆきましょう。




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トリマー・トレーナー 大谷 幸代 (おおたにゆきよ)

大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。生体販売・ペットショップ店長・トリマー・トレーナー・新規事業開発・成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダー・ペット関連用品の開発など、国内最大手のペット関連企業において経験。独立開業後は、WEBサイト、雑誌などへコラム執筆や企業顧問、商品開発、各種マーケティング業、専門学校講師を勤めています。
 
ゴールデンレトリバー(サーフ&海)、チワワ、猫と全員元保護犬、猫達とペットライフがもっと楽しく、もっと快適になるよう目指しています。
 

 
保有資格:
●愛玩動物飼養管理士
●トリマー
●トレーナー
●アロマセラピスト
●ホリスティックケアカウンセラー
●ペット食育士
●ペット災害危機管理士
●マウスケアメンター
●一般社団法人日本ペット用品工業会認定 ペット用品販売士
●ペットロスケアアドバイザー
●セラピードッグトレーナー
●動物葬祭ディレクター
●ペット共生住宅管理士


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